のこされた歴史書
【第一世界:神々と伝説の世界】
はじまりに神がいた。神があったことで、様々なものが芽吹いた。そしてはじまりの神以外にも、同じような神が生まれた。神々は互いに喜び、歌い、そうして他のいきものが生まれた。神々はそれらを慈しみ、愛し、名を授けた。大地を与え、守る事にした。
【第二世界:魔法の繁栄】
神々の愛は魔法と呼ばれた。木々を生み、炎で照らし、風を走らせ、水で潤す。それらはすべて神々の慈悲の力だった。名を与えられたいきもの達は、お互いの喜びのために魔法を使い、また、神々への愛を歌った。
また、いきものの中には想像の力を持つものがいた。彼らの想いと信仰はやがて新たな神々を生んだ。求められ生まれた神々は、自らを生んだ”人の子”を愛した。
そしてはじまりの神は、いとし子達と人の神々に大地を託し、神々と旅立つことにした。
【第三世界:知恵と技術の発達】
創造の力を持った”人の子”は様々なものを生んだ。それはモノであり、知識であり、欲であった。膨大な知識や欲は組織を生んだ。魔法は技術となり、神々が残した慈悲は、そっと様子を見守った。
【第四世界:混沌と歴史の喪失】
愛は平等ではなくなった。力を持った人の子は、他のいきものを蔑んだ。そして奪い合い、呪い合い、それは悪しき嘆きの神を生んだ。
最後の慈悲は、忘却と
【第五世界:魔法の喪失】
混沌の中にあった歴史は消えた。新たな世界には、神々の愛は見当たらなかった。人の子は、残された大地で何かを忘れたまま、歴史を作ることにした。かつてあったという伝説を語り、未来を夢見た。自らの手で土地を耕し、鉄をつくり、家族をつくった。息を殺す、いきものたちには気づくことはなかった。
そして残った記憶に気づいたものは、黒い竜となることにした。
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